【osakentaro】knit top

「氷の花」とか「氷紋」とか。
氷が生み出す柄の美しさを表す言葉である。
自然の中で生まれたきた、偶発的なデザイン。
氷をジッと眺めていると、改めて自然の生み出す瞬間の美しさに唸ってしまうことがある。

そんな「氷」の魅力を思った時、一番最初に思い浮かんだアイテムが”osakentaro”のニットである。

ニットの中にレースという氷が張ったような。
このアイテムが持つ、可愛らしくも儚げな雰囲気は、まさに触れたら割れてしまうような、薄氷のように見えるのだ。

ほつれたり、糸が垂れたり。
どこかダメージとも呼べるようなデザインにも関わらず、それがとても可愛らしく見える。
同じデザインのアイテムが存在しないニットは、まさに、同じデザインが生まれない自然の世界にも通じるのではないだろうか。

さて、このニットをよく見ると、うっすらと赤みが帯びている。
これは、このニットの上から別の生地をニードル加工を施しドッキングさせ、それを加工後に剥ぐことで、ドッキングさせた別の記事の糸が僅かに残ったことから、このような何とも言えない色が生まれているのである。

そんな一手間も二手間もかけたことによって生まれた、他には見ることのできな可愛い1着。
とても贅沢なアイテムなのだ。

色々とユニークなデザインで楽しませてくれる”osaketnaro”だが、そんなユニークなデザインは素材加工にまで及ぶのだ。
ここ数シーズン、その発想だったり、デザインへの落とし込みだったり。
ワクワクさせてくれるのは、そんな背景からくるのだろう。

なお、着用していくと、徐々にレースの部分が破れたり、解けたりして、一層グランジ感が漂う1着に。
それもこのニットの味として、経年変化を楽しんでいってもらえると嬉しく思う。

暦は”大寒”。
凍てつく世界だからこそ、生まれる繊細で儚い瞬間と出会える季節。
寒い冬は確かに辛いけど、そんな冬だからこそ楽しめる世界もあるのだ。

「冬はつとめて」と言い切った「清少納言」の気持ちもよく分かる。
そんな冬の朝の美しさが詰まったニットをぜひ纏って、この季節の装いを楽しんでみてほしい。


モデル身長 160cm

〔組成〕古布

〔取扱注意〕水洗い不可 / 漂白処理不可 / タンブル乾燥不可 / 日陰での平干し / アイロン仕上げ処理不可 / クリーニングの際はクリーニング店に相談してください。
※クリーニングの際は、ランクを上げることを推奨します。もしクリーニング店に断れた場合、当店まで一度ご相談ください。

〔サイズ〕free

〔サイズ詳細〕裄丈：72cm / 身幅：60cm / 着丈：66cm